【ああ、懐かしや東北旅行⑤】あの世の景色を垣間見る。 青森・恐山へ
生きとし生けるものみな死に逝く運命にありますが、青森県下北地方では「人は死ねばお山さ行く」という言い伝えがあるそう。そしてその『お山』の指すものこそ今回訪れた恐山なのです。
前回の記事で遠野(【ああ、懐かしや東北旅行④】憧れの遠野物語の地へその2)を出て、その日は車で八戸まで進み一泊しました。
そこからさらに北上し、むつ市まで行ったわけですが、とにかく!遠かったです!
しかも道中、上の画像のように畑?が多く景色も代わり映えしないので走ってて結構つらいものがありました。東北でこんなにつらいなら、アメリカのハイウェイとか走ったら気が狂うんじゃないか?とも思いました〜。
そんなこんなで恐山到着。
三途の川に架かる橋です。
この橋にたどり着くまでに峠を越えてくるのですが、生い茂る木々と立ち並ぶ石仏、そして森に立ち込める硫黄の匂いが不気味で、とんでもないところへ来てしまった…と思ってたんですがそこを抜けると結構開けていて良い雰囲気です。
駐車場ではさっそく巨大な六地蔵がお迎えしてくれます。
入山料を払い進みます。
一見、よくあるようなお寺にも見えますがここにも硫黄の臭いがたちこめていてどこか異様な雰囲気・・・
阿形
吽形
あちこちに石が積まれています。
賽の河原に積まれる石と同じような意味合いなのでしょうかね?
死んだ子供が行く所といわれる冥途(めいど)の三途(さんず)の川の河原。ここで子供は父母の供養のために小石を積み上げて塔を作ろうとするが、絶えず鬼にくずされる。そこへ地蔵菩薩が現れて子供を救うという。
引用:デジタル大辞泉
本尊は延命地蔵菩薩。地蔵菩薩は人間のさまざまな苦しみを救ってくれる仏。下北地方には古くから大漁や五穀豊穣、無病息災といった現世利益を願う「地蔵講」の習わしがあり、庶民の地蔵信仰が厚い。それが、今日の恐山信仰につながっているとされています。
狛犬コレクション
ニヤっとしているようで少し狂気じみている阿形
こちらもニヤリの吽形
もう一対の狛犬たち
阿形
鞠を踏んでいます。
吽形。
こちらは子どもを。
そして本殿を過ぎるといよいよ地獄めぐりとなります・・・。
植物の少ないこの土地は荒れ果てているように見えます。
道中このような石仏や積まれた石、風車がたくさんありました。
結構たくさん歩きます。
足元もごつごつとした石が多く、なかなか歩きづらい。
いつの間にか無心になってひたすら歩いていました。
足元には硫黄の川があちこちに。
どんどんと俗世から離れて行っているような感覚に陥ります。
いくつもの、橋を渡りました。
湖が見えてきました。
少しずつ植物も増え、木々にはタオルや洋服などが括り付けられていました。
そのうちの一つをみて、その意味が分かりました。
遺品。
見かけたタオルなども多分そうなのだと思います。
赤くない・・・
賽の河原地蔵堂。
たくさんのお菓子や飲み物、そして遺品が置いてありました。
小さい子のものもたくさんありました。
鮮やかな色の風車たち。
見知らぬ誰かが、
どんな思いでこれをここに備えたのだろう・・・。
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そして極楽浜へ。
これまで歩いてきたところとは一変し、
白い砂浜とエメラルドグリーンの湖がとてもきれいでした。
そしてとても静かでした。
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ここで突然強い雨が降ってきて、走って山の方へ行くと五智如来がいました。
そこからは先ほどの湖が一望できました。
極楽浜にいたことが夢のように現実に引き戻されたような気がします。
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寺山修司の「田園に死す」の映画を観たことがきっかけで恐山のことを知り興味本位で訪れた場所でしたが、とても充実した時間になりました。普段の生活ではどこか敬遠されがちな死というものに向き合うことが赦されているというような?身近に感じられるような?なんと表現すれば良いかわかりませんが、優しい空間でした。黙々と歩きながら生きること死ぬことなんかをうだうだ考えたりしました。
それにしても、死んだ暁には極楽浜のようなところへ行きたいものですねー。
ちなみにイタコはお祭りのときなどにしかいないようです。
ぜひまた訪れたいスポットでした。
・・・つづく・・・
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