北アルプス国際芸術祭~東山エリア~
市街地エリア、エリアと紹介してきましたが、今回は東山エリアの作品を紹介します。
この東山エリアは自然の中に展示してある作品が多かったので、見てまわるのも一苦労でしたが、そういった普通の美術館等では味わえないようなプロセスこそが芸術祭の醍醐味でもありますよね~。
「集落のための楕円」フェリーチェ・ヴァリーニ
作品があるのは三世帯しか住んでいない八坂という集落。
複数の建物にバラバラに描かれた線。しかし"ある地点"まで来ると楕円が出現します。
それぞれの線が繋がる時、「おお~」と感動してしまいました。
見る人の身長によっても"ある地点"は変わっていきます。
なんとなくそれが面白かったです。
(写真だと若干ずれてる・・・??)
近くまでいくとなんか異次元に吸い込まれそうな感じもしました。
集落の入り口にあった道祖神。
男の人が二人?珍しいです。
またその近くにお墓もありました。
長野はこうした集落の近くや畑の真ん中にこじんまりとした墓地があって見つけるたびに胸アツです。長野では死というものがより人々の身近にあったのでしょうか。また、従来のよくある整理整頓された墓地よりもなんとなく生きていた人間が入っている感じがして好きです。
「Bamboo Waves」ニコライ・ポリスキー
とても大きく力強い作品で、その向こうに広がる自然と相まって清々しい気分になりました。それにしても竹、こんなにしなやかに曲がるんですね。
今回ニコライは初めて日本を訪れ、八坂地区にある竹林の美しさに深い感銘を受けた。
八坂は里山に小さな集落が点在する日本の原風景を残す地域。その里山を望む高台に、力強く生活する住民との協働作業を通して、かつてない竹の構造体が現れる。
このとき、この近くでクジャクみたいな鮮やかな色でアヒルくらいの大きさの鳥を一瞬みた気がしたのですが、次の字瞬間にはもういなくなっていたので幻だったのかもしれません・・・
次は鷹狩山。
駐車場から長い階段を登っていきます・・・
階段を登りきるとさらに獣道風の道を進みます。
普段あまり通らないような道なのでワクワクしました。
「風のはじまり」リー・クーチェ
森の中に突如巨大な鳥の巣のようなものが現れました。
下に降りるとその中にも入って歩くことができました。
テーマは風。
自然のメッセージを運ぶ媒介である風の力を借りた、激しい大爆風の姿をした作品が森に現れる。
現地の地形や木の配置などを考慮しつつ、作品は直径30m前後となる予定だが、機械に頼らず、台湾と日本のスタッフが協働して手作業で制作される。
「無限折りによる枯山水 鷹狩」布施知子
タイトルの作品は撮影禁止だったのですが受付のすぐ近くにある作品は撮って良いよと声をかけてもらったので撮影させて頂きました。
受付の方のおすすめアングルで一枚。
建物の静けさや斜めに入り込む光と相まって良い雰囲気です。
なんとこの作品、1枚の大きな紙からできているそう。
2階に上がると今回のメインである大規模な作品がありました。
紙を何度も折り重ねることで形作られる力強くも繊細な線が優しい光で照らされ、美しくてうっとりしました。いつまでも眺めていたい作品でした。
「信濃大町実景舎」目
鑑賞者は、建物の間取りや階層を無視するように無差別に延ばされた導線ヘ誘われ、座標的空間のなかで「何でもない家具」や「北アルプスの巨大な峰」と唐突に関係する。
繭の中にいるような不思議な感覚になります。
でも意外とくつろげて楽しかったです。
ものすごい大きいコオロギ?も壁を這っていました。
実を言うと、鷹狩山の3つの作品を見てまわるときにすごく意地の悪い関西弁のおばあさん3人組に付きまとわれて最悪でした。笑
本当に、ゆっくり作品をみることができなくて残念でした。
自分も人に迷惑をかけないようマナーを守ろうと思います。
霊松寺へ。
「伽藍ヘの廻廊」髙橋貞夫
木で彫られた作品です。
厳かなような、おどろおどろしいような印象でした。
お寺の雰囲気とマッチしていて素敵です。
洋画家·山本鼎(かなえ)の提唱で始まった農民美術の流れを汲んだ木工芸は、長野県の伝統芸術のひとつ。
高橋は、その農民技術を新日本農民美術研究所で学んだ後、漆を施した版に木彫を組み合わせた独自の技法「彫彩」を編み出し、活動を続けている、信濃大町の作家。
素朴な木という素材の上で、岳都で生まれ育った感覚から生み出される力強い彫りの生命力と、漆の静謐さの両方が表れている高橋の「彫彩」には、独特な世界観が感じられる。
照明と音楽で作品を彩るゾーンもありました。
この霊松寺ではボランティアの方が境内を案内してくれたのでそちらはまた別の記事でまとめていきたいと思います。
「Sky of the Children in Omachi 2017」アートプロジェクト気流部
あづみの公園管理センター内に展示されています。
天と地をつなぐ信濃大町のくぼんだ空間を「空のヘソ」に見立て、大量のプロぺラを使って信濃大町の地形、空、空気を感じさせる空間をつくりだす。
たくさんのプロペラが風に吹かれてまわる様子は圧巻です。
公園内も植物や動物の標本があったり映像も展示してあるので楽しめました。
そんな感じで北アルプス国際芸術祭の記事はこれでおしまいです。
途中で立ち寄った神社仏閣等はまた後日まとめます。
下の画像は要所要所でくれる水です。