宮城ノープラン旅その④「緑豊かな円通院」
観音菩薩は慈悲と智慧によりすべての人々を救う仏様で、
観音霊場は観音菩薩がおられる神社や仏閣などの神聖な場所のことです。
冒頭の写真は円通院にある三慧殿という建物で、
伊達政宗の嫡孫である光宗の霊廟として
正保4年(1647)に瑞巌寺第100世洞水和尚により建立され開山されました。
光宗は徳川幕府に恐れられるほど文武に優れた逸材でしたが19歳という若さで亡くなってしまいました。その死因は毒殺か病死かはわかっていないそう。
三慧殿の中にある厨子(ずし:仏像・仏舎利・教典・位牌などを中に安置する仏具の一種 by wiki)の中には白馬にまたがる衣冠束帯の光宗像と殉死した7人の像があり、見ることができます。
また厨子には西洋の花や模様が描かれており、かつての西洋との関わりを示す貴重なものだということです。
境内には美しい庭が広がっていました。
松島湾内に実在する七福神の島を岩で表しているそうです。面白いですね。
苔もいたるところに生えていて癒されます。
三慧殿の裏手に進みます。
約700年前の洞窟群が連なっています。
中には石像や石碑などがたくさんあります。
この洞窟群は円通院が建立される前から存在していたそうです。
こうした洞窟群は松島のいたるところに点在し、
かつて洞窟の中で僧たちが修行したともいわれています。
表の庭がある華やかな雰囲気の方とは違い、
裏の方は少し寂しい雰囲気がありましたが不思議と落ち着く空間でした。
この白華峰西洋の庭は厨子に描かれたバラ、アカンサス、ガーベラなどが植えられているそう。この円通院は「バラ寺」とも呼ばれるらしいですが、このときはまだ少し時期が早く花は見られませんでした。
更に進むと大悲亭とよばれる本堂があります。
ここは息子である光宗の死を悲しんだ忠宗が解体移築したものだそう。
中には松島町指定文化財の本尊聖観世音菩薩座像が安置されています。
桧材、寄木造り、漆箔、像高63cm。
四段の鱗型蓮台に坐し、右手を施無畏印、左手に未開敷蓮華を執る。
豊頬・高髻の姿はりりしく、框座・透かし彫りの光背とのバランスもよく、室町時代の秀作であるといわれています。
本堂の前には池があります。
心の字をかたどっているそう。
小さい蛇がいてみんなが騒いでいて面白かったです。
出口付近には縁結び観音がいました。
この観音様は男性と女性または、今まで縁が無かった人をとりもつご利益があります。
「縁結び観音」は竜に乗った観音菩薩で、竜は男性を菩薩は女性を表し、竜が菩薩を背に乗せ天に上り和合します。
両脇には願いが書かれたこけしがたくさん並んでいました。
円通院を出て少し疲れたので甘味処で一休みすることにしました。
抹茶のかき氷。
謎のフワフワ感でおいしかったです。
・・・その⑤へつづく・・・